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生まれ故郷 沖縄・光と影

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年末年始にかけて沖縄に来た。生まれ故郷というよりは出生地といったほうが当てはまるのだろうか。旅行で一週間近く沖縄本島に滞在するのは初めてだ。またこの機会に、自らの血が流れる沖縄県民(うちなーんちゅ)の過去を振り返る時間を埋め込むことにした。最初の写真は、慶良間諸島の渡嘉敷島・渡嘉志久ビーチ沖での女房との2ショット。”ケラマブルー” が時間を止める。
シャッターを押してくれたのは、お世話になったホテル ケラマテラス のインストラクター アッキー さん。
スタッフの皆さん、たいへんお世話になりました。

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振り返る時間軸は、過去の沖縄戦。
この地図は、沖縄戦における米軍侵攻の時期、順序を表している。
沖縄戦は、昭和20年3月26日に慶良間諸島侵攻に始まり、降伏文書調印の9月7日まで6ヵ月近くおよんだ。(組織的戦闘の終結は昭和20年6月23日とされる)

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最初の訪問地は慶良間諸島・渡嘉敷島。那覇で前泊して、12月30日から1月1日の三日間滞在する。
昭和20年3月23日、米軍は沖縄本島上陸一週間前にこの島を空爆開始、26日上陸。その2日後の3月28日、島民による集団自決がこの地であった。
上の写真は島内にあるその時の戦跡碑

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この写真は、元日、日の出前の渡嘉敷島・阿波連ビーチから東の空に向けた一枚。雲ひとつ無い青空に心が洗われる。それにしてもビーチに誰一人いない。初日の出を独り占めできるとは、なんと贅沢なんだろう。
朝食後、渡嘉敷島を後にした。本島に高速船で30分余り、那覇泊港に到着する。

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レンタカーを借り、向かった先は北谷町。写真はアメリカンビレッジの中。先に見える白い建物は現在工事中の今年9月開業予定ヒルトンホテル沖縄北谷。地上9 階建、客室数346 室の大型リゾートホテル。この街には独特の溢れるエネルギーに満ちている。

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1月1日、読谷の残波岬。左に見えるのが残波岬灯台。
昭和20年4月1日朝、米軍はこの読谷から嘉手納、北谷にかけて上陸。米軍艦隊砲撃10万発、艦艇1,500隻、地上戦闘部隊18万3千人、総兵力54万8千人。この日のうちに6万人の兵士が揚陸した。
対する日本軍、10万人。

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1月2日、本部半島海洋博公園から見る伊江島。
昭和20年4月16日、米軍は伊江島に上陸する。日本軍守備隊2000人、残留島民5,000人と米軍との間で大激戦が行われた。4月21日まで全島占領。

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1月3日、糸満の平和祈念公園内、「平和の礎」。
国籍や軍人、民間人を問わず、沖縄戦における全戦没者24万人余の氏名が刻まれている。
中央にあるのが「平和の火」。この「平和の火」は、沖縄戦最初の米軍の上陸地である座間味村阿嘉島において採取した火と被爆地広島市の「平和の灯」及び長崎市の「誓いの火」を合火し、ここに灯している。
昭和20年5月31日、米軍、首里占領。
昭和20年6月13日、日本軍の海軍部隊壊滅。
昭和20年6月23日、牛島第32軍司令官が糸満市摩文仁で自決する。
この日(6月23日)を沖縄戦の組織的戦闘が終結した日として、沖縄慰霊の日としている。

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沖縄戦、最大の激戦地となった糸満にある現在の糸満市役所。一部PC(プレキャストコンクリート)造になっている。型枠屋としては、一度実物を見たかった建築物だ。この写真の裏側面(南面)全面にPCルーバーによる太陽光発電設備が配置されている。相当手の込んだ建造物だ。総工費約100億円。
この行政区のランキングを見るといろいろと学べる。

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最後に、辺野古。
この写真の向こう側の沖が、辺野古埋め立て滑走路の予定地。埋め立て予定面積、滑走路160ha、作業ヤード10ha。因みに本土復帰後から1998年までの沖縄県における公有水面の埋め立て面積1600ha余り、この約10倍。
シャッターを押した後、立ち止まって目を閉じる。
太陽の日差し、波音、潮の香り、風の肌触り、堤防で釣り糸たらす子供たち、フェンス越しの米兵の足音、新聞の一面、首相の笑顔、記者にくってかかる知事の怒り顔、宜野湾にいた息子の部屋で聞いた戦闘機の爆音、ここにくるまでの地元の方の視線、フラッグに描かれた純真なメッセージ、その横のフラッグには行間から滲み出るオトナの都合、そしてここにいる自分。入り交じる・・・。そして静かに目を開く。
「 すべてが現実 」。
絡んだ糸はそう簡単にはほどけない。
でも、それをするのは、わたしたちなんだと覚悟を決めよう。
そうでなければ、20万人ともいわれるこの地で亡くなられた方々に顔向けできない、同じ日本人として。
この場に立って、自分はそう思う。

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